婚姻費用分担請求調停を自分で申し立て弁護士なしで調停に挑み、無事離婚に至った渡部です。
弁護士費用を捻出する経済力はありませんでした。
私は法律の専門家でもなんでもない一般人の主婦でした。
誰でも理解しやすいように、婚姻費用分担請求調停の申し立てに必要な書類について、図解を交えて説明します。
この記事では、婚姻費用分担調停の「進行に関する照会回答書」(D)の記入方法について説明していきます。(本サイトでは、わかりやすいように各必要書類にアルファベットを振って説明しています。)
裁判所のサイトに記入例が載っていない「進行に関する照会回答書」の記入例も載せています。
この記事を読めば、弁護士に頼まなくても記入できるはずです!
<免責>(言い訳)
当方ずぶずぶの素人、一般人であり法律家でもなければ高学歴の人間でもないので、自己解釈な面もございますので、一意見として読んでいただければ幸いです。ただ、書類に関して後日ダメ出しをくらった等のトラブルはありませんでした。
進行に関する照会回答書の概要
進行に関する照会回答書とは、申し立てる調停で相手に伝えているかどうかということや、調停時に相手が暴力をふるう可能性があるかないか、配慮してい欲しいことがあるかなど、スムーズに調停を進行するための確認事項を記載する書類です。
この書類は、申請時に提出する他の書類と比べて、家裁ごとにフォーマットが異なっているものが多い印象です。
・相手方の連絡先(電話番号)記入欄
・裁判所に配慮してほしい病気や障害の有無の記入欄
・相手が他人に暴力をふるったことがあるかどうかの確認欄
上記の項目があるものやないものがありますが、基本的な内容はどの家裁もほぼ同じです。
自分と配偶者のことをありのままに答えるものなので、難しい書類ではありません。
また、この書類について最大の特徴と言える朗報があります。
進行に関する照会回答書は、相手方に見せることはないと約束されている書類です!
よって、相手方に見られる可能性があるかも…と不安に思わずに、正直な内容を記入して大丈夫です。
要望を記入する欄があるので、調停時に相手と顔を合わせると危険がある方などは要望欄に内容を記入しましょう。(例文は後述)
「事情説明書」(B)や「連絡先の届出書」(C)は「非開示の希望に関する申出書」を添付しなければ、家裁の許可によって相手方の要望(申請)で閲覧することが可能な書類です。
この『進行に関する照会回答書』は「相手方に見せることはありません」と書類にも印字されており、自動的に非開示になるため非開示の申出書を添付する必要はありません。
事情説明書の書き方(例文つき)
家裁によってフォーマット(内容)が若干異なるので、下記の進行に関する照会回答書の画像は例と考えてください。
チェックを入れる項目が多いですが、理由の内容やDVが行われた時期、裁判所への要望欄は自分で記入する項目になります。
どのフォーマットの回答書でも要望欄は必ず設けられているので、相手方と顔を合わせたくない場合はその旨記入しましょう。
事件番号
上部に事件番号の記入箇所があり、「期日通知書等に書かれた事件番号を書いてください。」とあります。
この用紙は申し立てた後で提出するものなの?と混乱しますが、こちらは申立時に提出する書類で間違いありません。
申し立てる段階では当然事件番号は発生していないので書きようがないです。空欄でよいです!
■事件番号について
婚費調停は調停事件にあたるので事件とついています。
事件には事件記録符号というのがあり、家裁での家事調停事件の事件記録符号は「家イ」なので、離婚調停や婚費調停だと事件番号は[令和〇年(家イ)第〇〇〇〇号]といった番号が振られます。
1 この申立てをする前に相手方と話し合ったことがありますか。
該当項目にチェックを入れましょう。
ロ感情的で話し合えなかった。
ロ冷静であったが,話合いはまとまらなかった。
ロ態度がはっきりしなかった。
ロその他( )
■ない。(その理由をチェックしてください。)
ロ全く話合いに応じないから。
ロ話し合っても無駄だと思ったから。
ロその他( )
相手に話してたら今頃生きてないです…
2 相手方は裁判所の呼出しに応じると思いますか。
ロ応じないと思う。
ロ分からない。
・理由等があれば,記載してください。
なんとこの項目、突然のクイズ問題です。
相手の事だし、調停や裁判の経験がある人はなかなかいないと思うので、配偶者といえども相手が応じるかどうかわからないですよね…。
目を瞑って想像するしかない内容です。
想像した結果、分からなかった人は □分からない。 にチェックを入れましょう。
応じる予感、応じない予感をインスピレーションで感じられた人はどちらかにチェックを入れましょう。
また、理由があれば記載してくださいとあるので、想像した結果の理由がある人は書いてみましょう!
→私は下記の内容で記入しました。
☑応じると思う。
理由欄:職場への連絡を恐れて応じると思います。
3 調停での話合いは円滑に進められると思いますか。
ロ進められないと思う。
ロ分からない。
・理由等があれば,記載してください。
該当項目にチェックを入れましょう。
この項目も2に続き、相手の行動を予測するクイズ問題です。
→私は下記の内容で記入しました。
☑進められないと思う。
理由欄:借りたこともないのに「俺の金を返せ!」と怒鳴られたことがあり、同一生計の認識がないと思われるため。
4 この申立てをすることを相手方に伝えていますか。
ロ伝えていない。
ロすぐ知らせる。
ロ自分から知らせるつもりはない。
ロ自分からは知らせにくい。
婚姻費用調停を申し立てることを相手に伝えたか、伝えていないか、該当項目にチェックを入れましょう。
「自分から知らせにくい。」だけ、お気持ちの表現である謎!
みんなそうだと思う・・・
5 相手方の暴力等がある場合には,記入してください。
ロ大声で怒鳴る・暴言をはく。
ロ物を投げる。
ロ殴る・蹴る。
ロ凶器を持ち出す。
(1)それはいっ頃のことですか。
(2)頻度はどのくらいですか。
2 相手方の暴力等が原因で治療を受けたことはありますか。
ロない
口ある(ケガや症状等の程度 )
3 配偶者暴力に関する保護命令について,該当するものをチェックしてください。
ロ申し立てる予定はない。
ロ申し立てる予定である。
ロ申し立てたが,まだ結論は出ていない。
ロ申し立てたが,認められなかった。
ロ認められた。 ※保護命令書の写しを提出してください。
4 相手方の調停時の対応について
ロ裁判所で暴力を振るう心配はない。
ロ申立人と同席しなければ暴力を振るうおそれはない。
ロ裁判所職員や第三者のいる場所でも暴力を振るう心配がある。
ロ裁判所への行き帰りの際に暴力を振るうおそれがある。
ロ裁判所に刃物を持ってくるおそれがある。
ロ裁判所へ薬物,アルコール類を摂取してくるおそれがある。
暴力の内容や、頻度、調停時の暴力の心配などについて回答する内容です。
実際の状況に合わせて記入しましょう。
1(2)の暴力の頻度については下記を参考に記入してください。
・毎日の場合は「毎日」
・週に何度かの場合は「週〇回」
・それより頻度が低い場合は「月〇回」
(1)の暴力の時期について、いつ頃からいつ頃までか記入が求められていますが、私は「いつ頃まで」の内容は別居の直前の月を記入しました。
2 相手の暴力によって、治療を受けた場合はけがや症状の程度も記入しましょう。
→私の場合は、暴力はありましたが、治療は受けていなかったので「ない」にチェックを入れました。
3 「配偶者の暴力に関する保護命令」というのは、配偶者から暴力を受けている場合に、保護命令を裁判所に申し立てることによって、裁判所が配偶者に対して申し立てた人(あなた)に近寄らないように命じる決定をするものです。
4 調停時に心配される相手の対応について該当するのもにチェックを入れます。
6 調停期日の差し支え曜日等があれば書いてください。
ロ希望曜日 曜日 午前・午後
ロ差し支え曜日 曜日 午前・午後
(すでに差し支えることがわかっている日→ )
相手方の
ロ希望曜日 曜日 午前・午後
ロ差し支え曜日 曜日 午前・午後
(※分からなければ記載しなくてもかまいません。)
調停は平日に行われますが、都合の良い曜日(午前・午後)と都合の悪い曜日・時間(午前・午後)がある場合は記入します。
また、すでに予定がある日がわかっている場合は「すでに差し支えることがわかっている日」欄に日付を記入します。
相手方の情報も、決まった曜日に会議があるなどわかっていることがあれば記入しておきましょう。
7 裁判所に配慮を求めることがあれば、その内容をお書きください。
この項目が申し立てる側にとって一番大事な項目となります。
DVやモラハラを受けていた場合、顔を合わせると危険な場合もあると思います。
こういった場合、顔を合わせないことを裁判所に要求することができます。
調停は、申立人側、相手側と約30分交代で交互に調停員がいる調停室に入り各自の主張などを行います。
よって、自分の主張をする時間は相手方は同室にはいません。しかし、調停の最初と最後に双方列席説明といって自分と相手方が同室で説明を受ける時間があります。
よって、顔を合わせると危険がある場合は裁判所に配慮を求めるようにしましょう。
調停の開始時と終了時に、申し立てた側(自分)と相手側(配偶者)双方が同室で、調停手続きの概要や次回の期日、内容などの説明を受けることになっています。
裁判所に配慮を求めることにより顔を合わせることを回避することができます。
また、その他にも配慮してほしい内容がある場合は、この欄に記入します。
DV、モラハラが原因で別居しており、暴言や暴力にあう可能性がある為、顔を合わせることのないように、待合室を別の階にする、開始・終了時間をずらすなどご配慮いただきますようお願い申し上げます。
帰りは待ち伏せされないよう、先に帰ることを希望します。
結果、配慮してもらうことができて、調停の集合時間は相手が先で私が後に調整されました。
集合時間が同じだと、裁判所内で遭遇する危険がある為です。
帰りは私が先で相手が後で調整してもらえました。
相手が先だと待ち伏せされる可能性がある為です。
結局、一度も相手の顔を見ることはなく安全に調停が終わりました。
日付
裁判所の見本にも説明書面にも何の日付か指示が書かれていなません。
申立書の説明には、提出日ではなく申立書の作成日と書かれているので、たぶんこの書類も作成日(記入日)を記入すると良いのでしょう。
提出する日ではなく記入した日を書きました。
DVやモラハラ被害者にとって進行に関する照会回答書は大事な書類
家裁によって若干項目が異なっていたりフォーマットがまちまちですが、だいたいは同じなので、このページを参考にしていただければ、記入できると思います。
相手方に見られることはない書類なので、正直な内容を記入しましょう。
特に暴力に関しての内容は、不安だけど調停は裁判所で行うし大丈夫かな?などと甘く見ずに、ちょっとでも不安な項目があればチェックを入れてください。
自分だけではなく、調停員の方に危険が及ぶ可能性もあるので、変に相手方を庇うような気持ちは捨てましょう。
各書類の書き方リンク
調停時に必要なその他の必要書類の記事も参考にしてください。
▼婚姻費用調停での必要書類
下記テキストのリンク部分から、各書類の書き方の説明ページに移動できます。
A:婚姻費用分担請求 申立書
B:事情説明書
C:連絡先等の届出書
α:非開示の希望に関する申出書(任意)